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現役県庁職員として働いている人の中でも、出世コースはどの部署なのかということは気になると思います。
異動時期が近づいてくると、ついついそわそわしてしまいますよね。
特に若手職員は、同じスタートをきった同期との立ち位置も気になるかもしれません。
特に異動発表された後には、「〇〇が▲▲課だって!あそこって優秀な人が行くよね?」なんていう会話が聞こえたりしたことはないでしょうか。
自分が異動したときにも、この部署に異動したということは自分は見込まれているのかな…?と気になることがあると思います。
そんな人たちに向けて、現役県庁職員として様々な部署を経験し、そのうち人事課も経験した私:こげ太が本音ベースで解説します!
この記事を読めば県庁での出世部署がまるっとわかります!
また、現役職員の実体験や本音も後編に載せているので、
ぜひ最後まで読んでいってくださいね!
この記事でわかること
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特に出世部署である4つの課を紹介します。
これらの課に配属されたら期待されていると思いましょう!
名前のとおり職員の人事を管理する課であり、ここでの采配が全ての課の未来、
つまり県庁の未来を変えると言っても過言ではありません。
人事課では人事異動の業務のほか、職員の採用や服務の管理、組織の定員や給与、勤務条件の管理などを行っています。
秋から冬頃の人事異動時期(12月〜3月)になると、時間外勤務が激増し、100時間越えということもあります。
人事異動は、ただ「配属されて3年以上」「そろそろ昇進させる年齢」といった異動目安の職員を、パズルゲームのようにはめるだけでは済みません。
職員個人の事情や県庁全体での定員管理・配置を踏まえ、細かい調整も必要になることから、
繁忙期はどうしても体力勝負になってしまいます。
さらに、人事異動は職員の県庁人生や仕事内容を大きく左右するため、反感を買うこともあります。
肉体的・精神的にかなり辛い部署でもありますし、ここをやり抜いた人間は一目置かれます。
人事課の出身者はそのあとの県庁生活で「あの人は人事課出身だからね〜」と言われることでしょう。
そもそも人事課は自分たちで異動を決められるのですから、優秀な人間を取らないわけがないですよねー。
こちらも名前のとおり県の財政を司る部署です。
財政課職員一人につき一つの部局を担当し、その部局の施策・事業の査定を行うといったイメージです。
部局・各課の担当者は予算要求資料を作成し、財政課の担当者に事業概要を説明します。
財政課の担当者は、その事業内容を隅々まで確認し、不明な点はヒアリングを行いながら査定を行います。
ここで十分に確認しないと自分が上司や幹部に説明できないことから、しっかりと理解する必要があり、結果としてその部局の施策・事業に詳しくなります。
財政課は当初予算編成時期(10月〜翌年2月頃)が一番の繁忙期ですが、その他、補正予算がある場合はその時期も忙しくなります。
特に2月補正予算と当初予算が重なる1月〜2月がピークです。
私の県庁でも、昔は泊まり込みで仕事をすることがあったと聞いています。
最近は働き方改革の影響もあり、そこまでではありませんが、
肉体的・精神的にも辛い仕事であり、やはりここも出世部署と言えるでしょう。
ここを通っておけば、人事課と同様に一目置かれます。
余談ですが、副知事や部長になる人は財政課出身が多い印象があります。
上に立つ人間が出やすい部署と言えるかもしれません。
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昔は地方課と呼ばれていましたが、今はどこの県でも市町村課という名前に変わっています。
市町村課は主に県内の市町村の行政や財政を担当しています。
このうち行政というのは市町村職員の給与や定員に関する事務など、財政というのは地方交付税の算定事務などです。
これらについてとりまとめを行っている課、と思ってもらえれば良いと思います。
このしばちゃんブログでもよく活用する「地方公務員給与実態調査」などの市町村回答のとりまとめも行っています。
国(総務省)が公表しているデータなのですが、これを作成するために県の市町村課が各市町からの回答を集約して、国へ報告する、といったイメージです。
市町村課は県内市町村と密接に関わる業務であり、市町村の中でも総務課や人事課、財政課といった主要な課とやり取りを行うことが多くなります。
業務を通じて県内市町村の事情に詳しくなることや、県人事課や財政課での業務と同様の重要な経験を積めるため、出世コースの一つに数えられます。
市町村課は上の2つの課に比べて圧倒的に時間外勤務は少ないです。
もちろん時期によっては多少ありますが、出世部署の中でも珍しいといえます。
余談:県と市は上下関係にあるの?
ちなみにですが、現在、県と市に上下の関係はありませんので、基本的に指導や監督といった権限はありません。
県も市も対等な立場ですので、その点はぜひとも覚えておいてくださいね。
よく県庁職員で市町村の職員に偉そうな態度を取っている人がいますが、それは反面教師としましょう。
とはいえ、市役所側もやはり県からの連絡があれば「提出資料にミスか?」とドキっとします。やはり敬意をもって接していますね。
ただ、単純に国から市へ投げるだけの人は、この人分かっていないな~とバレていたりもします。
提出資料が間違っていると困るのも事実です。ただ市役所のせいにするのではなく、いい関係を築く・伝達をわかりやすくする・余裕をもった期限を設定するなど、調整スキルを磨きましょう!
知事・副知事といった特別職の秘書業務です。
当たり前ですが、そもそも変な職員に知事・副知事の秘書は任せられませんし、スケジュール管理も重要ですから、選ばれし人間が配属されることになります。
また、各部局の重要な事業・施策は常に知事・副知事にレク(協議)しますので、県庁内の様々な情報に触れることとなります。
情報の取扱いに注意が必要なことから、配属された人はそういった面でも信頼されていると思ってよいでしょう。
秘書課の時間外勤務は人事課や財政課のように多くはありませんが、知事・副知事が土日に業務がある場合はそれに伴って出勤になりますので変則的な勤務になります。
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人事課・財政課・市町村課・秘書課に比べれば弱いですが、ここで実績を残せばこれらの出世部署に異動できるかもしれません。
自治体によって異なると思いますが、その自治体が重点施策として行っている事業の担当課です。
これは当たり前ですが、その事業で実績を出すために優秀な職員が集められているからであり、そこに配属されたということは見込まれているということです。
私のイメージでは、やはり観光やイベントを行う課、県庁の中でも「特に前向きな仕事の課」に配属になる人は出世コースに乗っているな、と思います。
各部局内での主となる課であり、部局長の秘書的な業務や、その部局内の人事や予算、施策を担当する課です。
例えば予算であれば、その部局内の課の予算(経理)担当と色々な調整をした上で、その後、財政課と協議を行うといった調整役の仕事となるでしょう。
ただ、こういった課は各部局に存在し、配属される職員が多いことから、人事課や財政課などに比べると出世部署という面では弱いかもしれません。
知事の意向を踏まえ、県全体の総合計画や基本方針を策定する課です。
知事に近いこともあり、知事の思いをダイレクトに受け止め、それを計画・方針に反映させるため、理解力・調整力が必要です。
また、県の総合計画や基本方針は企画課だけではなく、全庁的に意見照会し、作成する必要があるため、傾聴力・交渉力も必要になります。
こういった理由から出世部署の一つではありますが、どうしてもトップダウンの部分も大きいことから、これまで紹介した課に比べると弱いでしょう。
これらも出世部署の一つです。
まず、相手があるため外に出すのが恥ずかしい人間では絶対にダメです。
そして、自分の県庁以外での学び・経験を持ち帰ることが期待されていることから、将来の幹部候補といえます。
特に国(中央省庁)への出向は間違いなく期待されているといってよいでしょう。
基本的にはそこまで上の役職・年齢ではなく、比較的若い職員が出向の対象になると思いますので、出向したいと考えている人は積極的に希望してみるとよいかもしれません。
大学卒の新規採用者は、はっきり言ってどこに配属されても出世という面ではそんなに変わりません。
主席入庁者くらいは、多少、同期に比べて困難な部署に配属されるかもしれませんが、ほとんど誤差のようなものです。
入庁した後に同期たちと配属部署で一喜一憂するかもしれませんが、そこに配属された理由を深く考えても無意味と考えます。
それよりも配属された部署でどのように働いたか、能力はどうか、といったことが評価され始める
最初の人事異動からが重要です。
入庁から10年~15年、5部署程度の異動でなんとなく色が付いてくるでしょう。
ちなみに、社会人経験者はこれまでの実務経験を踏まえて配属される可能性があります。
県庁の中でバリバリ仕事をして、出世部署をいくつも経験する出世コースに乗りたいのか。
それとも適度に働いて出世はそこまで考えていないのか。
本人の生き方次第ですが、出世部署の大半は肉体的にも精神的にも辛い部署ばかりです。
そこまでして働いたとしても、時間外勤務手当はたくさんもらえるかもしれませんが、
給料(基本給)は同期とほとんど変わりません。
ざっくりと言えば、難しい仕事をしても特別手当や給料がアップするという恩恵はないのです。
残業代で一時的に所得は増えるかもしれませんが、肉体的にボロボロになり、病院に通う必要が出るかもしれません。
精神的に辛くなり、病院にかかる可能性もあります。
そして何より、頑張って出世したとしても大抵は部長で打ち止めです。
それ以上は特別職の公務員になるため、一段ハードルが上がります。
なお、部長級のポストは大体10〜20くらいですが、その枠を年齢の近い者たちで争うことになります。
さらにその中のいくつかのポストは、国からの出向者(いわゆるキャリア官僚)が就くことになっている場合もあります。
そうなると県庁職員にとってはさらに狭き門になってしまいます。
出世を目指す人はこのような実情を認識した上で、必死で頑張るしかありません。
当たり前ですが知事になるには選挙で当選する必要がありますので、どれだけ仕事を頑張っても県のトップにはなれません。
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また、出世コースを外れたからといって楽をできるわけではありません。
出世部署以外にも、例えば福祉系の部署のようにたくさんの激務課があります。
ここ最近でいうとコロナ関連の部署は激務中の激務だといえるでしょう。
ただ、本庁内でも暇な部署があるのもまた事実です。
出先機関は本庁に比べてやはりゆっくりとした時間が流れています。
こういった部署ばかり巡る人もいるため、このコースに乗ると楽勝な県庁生活が待っています。
(周りから”そういった目”で見られるため、本人のメンタルが強くないといけませんが…)
結局のところ、人事課の采配を願うことしかできません。
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私は人事課や財政課、他県への出向(派遣)を経験しています。
どれも短期間での異動ではありますが、かなり濃密な経験をしました。
人事課では、採用や人事異動の事務を踏まえて様々な県職員がいることを知りました。
また県庁内での色々な仕事も理解しましたし、出世コースと呼ばれる部署や、花形部署についても詳しくなったと思います。
財政課では、担当課の予算(経理)担当者と何度も調整し、ボロボロになるまで働きましたし、上司・幹部への説明方法についても学びました。
他県への出向は仕事面での発見ももちろんですが、風土の違う他県の職員の働き方を見て刺激を受けました。
このように色々な経験をしてきましたが、私は決して優秀な人間ではありません。
ただ、人よりもストレス耐性があることや調整が苦手ではないことはあるかもしれません。
ですが残念ながら?私に出世欲はありません。
できれば比較的業務が落ち着いている課で、優雅にコーヒーでも飲みながら働きたいと思っていますし、人事面談でもそう言っています。
だって同期でも給料変わらないんですよ?
だったらそんなにプレッシャーもない業務で、定時後にすぐに家に帰ってしばちゃんと余暇を満喫したいと常々思っています。
このような県庁職員もいるということで参考にしてもらえたら嬉しいです。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
ってなにやる気ゼロで終わろうとしてるの!!
このままだと当たり障りのない内容になってしまうので、
ここからは元市役所職員でこげ太の妻:しばちゃんが本音を探っていきます!
しばちゃんとこげ太は一緒に仕事をしたことが出会いのきっかけなのですが、
ビジネスパートナーとしての印象は
おぉ…1聞いたら10返ってくるぞ!頭の回転が違うぜ…!
って感じだったんですよ。最初はね。
まぁ結婚してみると「小さじ1/2って量れなくない?」とか言ってたので笑いましたが。
というわけで、
いっても出世コースに乗らされているこげ太に
ちょっと本音を聞いてみようと思います!
人事課や財政課を経験した後では、県庁内で顔が広くなった実感があるね。
「仕事がデキる人」と思われるからか、仕事の連絡などで融通が利きやすくなった気がする。
自分でデキるとは思っていないけれど、コミュニケーションが取りやすくなったのは楽かな。
あと、部長クラスの人たちにも認識してもらえるようになった。
配属された人の中に尊敬できる人が多く、一緒に仕事ができるのは嬉しい。
自分と同じ価値観やスピードで仕事ができると、余計なストレスを抱えなくて済むよ。
他の部署では、「自分の仕事の範囲を理解できていない人」もいる。(←だいぶ言葉を選んでいた、苦笑)
そういった仕事をフォローする、といったモヤモヤは少ないかな?
そこで一緒に仕事をした人と関係を築けるので、いい人脈に恵まれた。
別の部署にいった後も、ちょっと相談をしたり気軽に話をしたり、頼れる人が増えたと思う。
また、後輩が「あの人は〇〇課出身だ」という目で見てくれるので、
(実際は自分が特別という気持ちはないけれど)
仲良くなるきっかけが多かったりして、そこは素直にうれしいかな。
自分の県庁の雰囲気でいえば、そんなことはない。その発想はなかった!(笑)
県庁内で結婚している人もいるけど、出世部署経験者だからか~というイメージも特にないよ。
良くも悪くも、「こいつは多少の無茶ぶりでも対応できる」みたいな悪いイメージもつくので
仕事量が増えたり、要は嫌なベクトルに期待されることもある。
明らかに自分の仕事ではないものは、スパッと判断したり主張できるメンタルも必要かも。
出世を望まないことと、仕事がラクかどうかは別問題なので、
わざと低い評価になるように立ち振る舞うのは悪手かな。
あくまで想像だけど、県庁はエリアが広い(県内のどこでも異動の可能性がある)ので、
あちこち飛ばされるといった可能性もあるし。
結局、出世を望む・望まないも含めて、自分の思い通りにするのは難しいのではないかな。
出世したい人のために、出世する人の特徴をまとめたので参考にしてもらえたら嬉しいな。
ぜひ出世したいと思っている人が、出世コースに乗れるよう願っています。
そして私も、比較的ヒマな課に行けるよう心の底から祈っています。
出世をすることで、例えば昇進して手当がついたり基本給が上がっても、
そのぶん業務や責任が増えるので、天秤にかけると割に合わないのが本音かな。
「手取りを増やす」「お金を増やす」といったことに注目すれば、
昇進よりも工夫できることがたくさんあるからね。
そのあたりはしばちゃんのほうが詳しいんじゃない?
と、ここでインタビュー終了です。
まさかの、私へ宿題が出されました。
お金を貯める・増やす部分については、確かに私の得意分野ではあるので、
近いうちにそのノウハウ記事を公開できるようにします!
それではまた別の記事でお会いしましょう!
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最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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