【現役県庁職員が教えます!】県庁職員のメリット・デメリットは?

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県庁職員になりたいけれど、具体的にどんな仕事をしているの?仕事のメリット・デメリットが知りたい!
普段生活していて、県庁職員と関わる機会があまりないため、イメージしにくいですよね。
今回は現役県庁職員である夫:こげ太に、仕事内容について教えてもらいました!

しばちゃん

私は元市役所員ですが、同じ公務員でも仕事はまったく違います!
私たちの経歴は、プロフィールを見てくださいね♪

目次

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メリット

広域的な仕事ができる

まず「都道府県(以下、県とします)」というポジションは「国」と「市」の間にあります。
そのため、「県庁が主体となって、現場で活躍する」というより、
国と市の橋渡しとして制度が潤滑に動くことの「サポートをする」ことが多いです。
実際に窓口対応をするのは市町村であれば、それをより広域的に扱うのが県の仕事です。

こげ太

分かりやすいように、最近政府が推進している国民のマイナンバーカードの取得という業務を例に説明します。

まず国が「マイナンバーカードをみんなに作ってもらおう」と示し、
それを受けて交付の推進や手続きは各市町村で進めていくことになりますが、
ここで登場するのが県(県庁)です。
県庁は県内の市町村の実施状況を把握し、遅れている自治体へは推進するための手助けをしたり、
進んでいる自治体へはそのノウハウを聞き取り他の自治体へ情報提供をしたりと、
県全体での推進を管理します。

またその間には、国から各市町の実施状況について調査照会が来るのを取りまとめて回答したり、
各市町からの制度に対する問合せに対応したりします。
国や県どうしのやり取りも多く発生します。
これが広域的な仕事であり、より分かりやすい言葉でいうと「中間管理職」のような仕事です。
 
また、特定の地域ではなく”県全体”の計画を策定するということも、県の大きな役割です。
これは県としての将来を見据えて策定する必要があり、担当者は大きな重圧を感じることもありますが、
それをやり遂げていく達成感もまた大きいです。

こげ太

このような点は民間企業では味わえないものであり、市町村職員より広域的な県庁職員特有の業務であるといえます。

色々な人との出会いがある

公私ともに色々な人との出会いがあるのも県庁職員のメリットといえます。

行政職の事務仲間と仕事をするだけでなく、土木の部署に行けば技術職員さんと一緒に働いたり
教育委員会に行くことで先生と働くこともあります。
いろんな職種・業種の人と仕事をすることで、違った視点を得られたり、いい刺激を受けられます。

また、公務員は2~5年の間で人事異動がありますが、県庁はその異動先として国や市町村で、
場合によっては民間企業で一定期間仕事をすることがあります。

こげ太

僕も他自治体に出向して働いた経験があります。
自分の自治体との違いに驚いたり、そこで働く人との新たな交流や仕事のやり方を新しく教わったり、特に自分のためになった時間でした。
そのときの仲間とは今でも連絡を取り合ったり、一緒に旅行に行っています!

県外出張がある

部署によっては、制度の説明会や国のヒアリング(県の状況について国に説明をするもの)、
地方エリアや周辺県どうしで開催する意見交換会の参加、県外施設の視察などで
東京や県外出張に行くことがあります。

説明会の資料をきちんと理解し市町村に情報を下ろしたり、資料を報告したりと出張は楽ではないですが、
たまに県外に行くのも気分転換になるでしょう。

こげ太

美味しいお土産を買ったり、東京に出張があると流行りのスイーツを買っていました。しばちゃん(奥さん)に喜んでもらえたので嬉しかったです。

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(市役所に比べて)休日対応や突発的な業務が少ない

休日対応の仕事の例として、地方公務員(市役所・県庁)は、土日に選挙管理事務があります。
このとき、実際に現場で投票の受付をしたり、開票作業にあたるのは市役所職員です。
選挙には市議会議員選挙、市長選挙、県議会議員選挙、県知事選挙、国会議員選挙といった種類があり、
1年に何度も選挙がある当たり年(ハズレ年?)もあります。
そのたびに市役所の大半の職員がいわば駆り出されます。

県庁職員も選挙事務はありますが、せいぜい選挙管理委員会事務局の職員が動員される程度です。
そのため、「また選挙で土日がつぶれる…」といった職員は圧倒的に少ないです。

また、突発的な業務が少ない、といったことも挙げられます。
気象庁から警報が出た時を例に挙げてみます。

市職員は、大雨や台風(暴風)などの警報が出た際に避難所開設が必要になったり、
土木などの部署では注意報レベルでも職場で待機が必要になります。
避難所開設の情報はテレビでも出ますので、皆さんも馴染みがあると思います。

県職員も、防災系の部署や土木系や農林系の部署では、注意報や警報といった発令がされたら
職場に出勤・待機ということはあり、市に比べて県は範囲が広いのでそこは大変ですが、
市役所のようにどの部署の人も避難所対応に駆り出される、ということはありません。

しばちゃん

市役所の仕事のデメリットについては、こちらの記事も参考にしてください。

福利厚生が手厚く、安定している

ここからは「県職員」というより、公務員としてのメリットになります。

公務員は身分を法(地方公務員法)により保障されています。

法で定める事由(勤務実績不良、心身故障による職務遂行困難等)による場合以外は、職員本人の意に反して、降任又は免職されることはなく、また、地方公務員法で定める事由(心身故障による長期休養等)又は条例で定める事由による場合以外は、職員本人の意に反して休職されることはないとされています。(出典:総務省)

要するに普通に仕事をしていれば、よっぽどのことがない限りクビにはならないということです。

そして何といってもカレンダー通りの休日であることは恵まれています。
土日勤務で平日休みの職業の方からすると、カレンダー通りということは羨ましがられます。

また、年次休暇も年間20日付与され、最大40日間まで貯めることができます。
さらに1日単位での取得はもちろん、半日単位、1時間単位での取得もできるなど、
こういった点からも恵まれているといえるでしょう。

こげ太

年次休暇を年内に取り切れないけど何とか消化するために、
毎日朝と夕に1時間ずつ取得した人もいました。

その他、給料も民間企業の水準と同等になるよう毎年人事委員会からの勧告がなされ、
その勧告を参考に給与が決まることになります。
手当も通勤手当や住宅手当、時間外勤務手当(残業代)や地域手当等、様々な種類があります。

社会的信用がある

これは皆さんもきっと思っているところであり、特に都会よりも田舎の方が、この傾向が強いと感じています。
(田舎では、大きな地方銀行や公務員が就職先として人気があることも。)

入庁したばかりの若手職員であっても、公務員だという保障から
取引先・相手先の信用を得やすく、スムーズに仕事をすることもできます。

また、例えば住宅ローンを組む場合やクレジットカードの審査に申し込む場合でも、
社会的信用の高さに驚くと思います。
プレイベートの面で恋人の両親にごあいさつに伺うといった場合も、受け入れられやすいのではないでしょうか。

こげ太

「公務員男性と出会える!」といった婚活パーティーも
ありますからね…。

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デメリット

仕事の種類が広範囲で複雑

メリットの一つで挙げた「広域的な仕事ができる」という面は、
反対に言えば業務の成果が見えづらいということでもあります。

県庁では、一人ひとりが担当する仕事の範囲が広く、
同じ部署でも1年ごとに仕事内容をローテーションすることもあり、
慣れたと思ったらまた新しい業務…という繰り返しが多々起こります。
さらに、2~5年程度で部署の異動があり、そのたびに業務が全く違うものになるため、
常に勉強しなおす必要があります。

公務員はスペシャリストではなくゼネラリストが求められるといいますが、それにしても
様々な仕事を担当していくため、本当に専門性のあるスキルは身につかないという残念な状況になります。

異動・転勤の範囲が広い

県庁本庁舎の中での異動はもちろんですが、県税事務所や土木・農林系の事務所などの出先機関への異動や
東京事務所、他の自治体、民間企業で働くこともあります。
異動先の範囲が広い(県内のどこでも可能性がある)ため、異動ごと(2~5年程度)に引っ越すという人もいます。

しかし、結婚などで家を建てたり、引っ越しができなくなる場合は、
県内のアクセスのよいところに住所をおいて、勤務場所へ通勤するという人も多いです。
そうなると必然的に通勤時間が長くなります。

こげ太

定時ダッシュしても家に着くのは1時間後…なんてことも多いです。
田舎だと車通勤するしかなく、そのための費用もかかってしまいます。

給与や出世が成果主義とは限らない

ここからは「県職員」というより、公務員として市役所などでも当てはまるかもしれません。

昔に比べて人事評価制度の導入が進んできており、一定の成果主義が導入されていますが、
それが明確に給与に反映されているかといえばそんなことはありません。

どれだけ困難な業務をこなそうと、何も言われない程度に適当に業務をこなそうと、
ほとんど給与に差はつきません。
特に若手のうちは全く差がつかないといってもいいでしょう。

また、年齢が上がっていけば差が広がるのかといえば劇的に変わるものでもないです。
もちろん同期でも部長と係長ほど差がつけば、最終的に給与にも差は付きますが…
普通に公務員として仕事をしていればほとんど差はつかないと思っていいでしょう。

また、成果自体も評価をするのは上司のため、上司と上手く仲良くなれる職員の方が評価が高くなるということも。

出世についても、基本的にはほとんど一定です。
県庁によっては昇任試験を設けるところも増えてきていますが、
昇任試験がない場合は出世が一定で給与もほとんど変わらないため、
言うなれば仕事ができる人が損をする状態だと思っています。

こげ太

もし県庁職員になりたいという人がいれば、自分の志望する県庁が昇任試験を設けているのかどうかは確認しておくとよいかもしれませんね。

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議会・議員対応がある

これが公務員の業務の中でも特に嫌われる仕事だと思います。

議会は年に4回開催され、本会議や委員会における答弁対応が主な仕事です。
基本的には若手ではなく、ある程度役職が上の人が対応することが多いと思いますが、
若手でも担当業務の内容が当たれば、それについての資料作成や情報を上にあげるという業務も発生します。
議会中も、議員からの質問がなかなか出てこなければずっと待機…ということも。

また、議会の本会議で答弁した内容は基本的に訂正することはできません。
このため、答弁の言い回しなども事前に細かくチェックされることになり、膨大な時間がかかります。

また、議会時期でなくとも、議員から照会や要望があることがあります。
例えば、「●●という事業のことだが、〇〇も対象にならないのか」といった形です。

議員は地元の代表のため、地元の人の要望を通そうとしてくることもあります。
それに対して法令等の規定に基づき対応するのですが、なかなか分かってもらえないときもあり、
精神的につらい(ぶっちゃけ面倒くさい)業務でもあります。

クレーム対応が多い

もちろん市役所に比べれば少ないとは思いますが、県庁職員も部署によっては結構クレームを受けることがあります。
県だからといって住民から問い合わせがない訳ではありません。

また、県税事務所などでは「税金泥棒!俺たちの税金で生活しているんだろ!」といった定番のフレーズも聞けます。

こげ太

僕も人事課にいたときに、職員の苦情の電話を何件も取ったことがあります。
ヒートアップしているから話も聞いてくれず、大変だった記憶しかありません。

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残業もやっぱり多い

一昔前に比べ職員は減っているにも関わらず、業務は右肩上がり…という状況であり、
残業は一定程度必要だと思っていた方がよいです。

もちろん部署にもよりますが、ギリギリの人員で業務を回しているにも関わらず、
新規事業や法改正に伴う対応が迫られることもあり、時間外で対応せざるを得ない場面は多々あります。

早く帰りたくても、勤務時間中に全てを終わらせるということは難しいことが多いです。

こげ太

とある部署で月100時間の残業を1年間続けたことがありますが、
体がボロボロになってしまいました。

付き合いが結構ある

コロナ禍によりだいぶ変わりましたが、以前は結構飲み会も多かったです。
部署を超えた飲み会もあり、それなりに顔を売っておくことも大事だったりします。
また自治体によってはスポーツが盛んなところもあり、若手は強制参加というところもあるようです。

職員労働組合の活動が精力的な自治体は、その付き合いも結構あります。
毎月「組合費」として数千円くらい徴収されて、その組合のために休日も組合関係のイベントに出なければならない…
公務員特有の付き合いかもしれませんが、土日が潰れるのはなかなか辛いです。

最後に

県の仕事はイメージしにくいものが多いと思いますが、ざっくりとメリットとデメリットについてお話しました。

これらのデメリットも認識したうえで、それでも県庁職員になりたいという方は
ぜひ公務員試験を受験してみてください。

こげ太

これらのデメリットを踏まえた上でも、僕は県庁職員になってよかったと思っていますし、人にもおすすめできる仕事だと思っています。

本記事が、公務員への転職を考えている方や、
これから県庁職員を目指そうとしている方のお役に立てれば幸いです。

★しばちゃんおすすめの一冊「リアル公務員」

現役公務員が描いたコミックエッセイ
マンガと説明パートがあるため、読みやすいです。
すべてがどの現場にも当てはまる!という訳ではないですが、
「あ~、分かる分かる」というシーンや、ちょっとクスっとくるおもしろエピソードもあります。
公務員ってこんな雰囲気なのか、こんな仕事があるのか~と参考にいかがでしょうか。
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